バイオアッセイとは? 主な種類とマイクロプレートを活用した効率的なスクリーニング

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生命科学研究や創薬分野において、化合物や分子が生体にどのような作用を及ぼすのかを正確に評価することが不可欠です。

その際に活用される重要な実験手法がバイオアッセイ(Bioassay)です。化学物質や薬剤、遺伝子の機能を「生物学的応答」を通じて定量的に測定する方法であり、医薬品開発や基礎研究の現場で広く利用されています。この記事では、バイオアッセイの概要と種類、特徴を解説します。

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目次[非表示]

  1. 1.バイオアッセイとは
  2. 2.バイオアッセイの主な種類
    1. 2.1.①セルベースアッセイ
    2. 2.2.②酵素アッセイ
    3. 2.3.③免疫アッセイ
    4. 2.4.④遺伝子アッセイ
  3. 3.マイクロプレートとハイスループットスクリーニング(HTS)
    1. 3.1.マイクロプレートが選ばれる理由
    2. 3.2.マイクロプレートとハイスループットスクリーニングとマイクロプレートの関係
  4. 4.日本ゼオンが提供する『Aurora Microplates™︎』
  5. 5.まとめ

バイオアッセイとは

バイオアッセイは、化学物質・医薬品・遺伝子などが生物に与える効果を、生体そのもの、あるいは生体由来の細胞や組織を用いて評価する手法です。

特徴は「生物学的な応答」を指標とする点にあります。化学的な性質や分子構造のみを評価するのではなく、実際に細胞が増殖するか、酵素活性が変化するかといった具体的な反応を測定します。

種類は大きく「インビボ(動物やヒトを対象とする)」と「インビトロ(細胞や組織を対象とする)」に分けられます。近年は倫理的観点や研究効率の面からインビトロアッセイの重要性が高まっており、細胞ベースアッセイや遺伝子アッセイといった手法が主流になりつつあります。

アッセイについてはこちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。

バイオアッセイの主な種類

バイオアッセイには複数のアプローチがあります。ここでは代表的な4種類のアッセイについて解説します。

①セルベースアッセイ

セルベースアッセイは、生きた細胞を用いて薬剤や化合物の作用を評価する方法です。細胞の増殖率、細胞死(アポトーシス)、シグナル伝達経路の活性化などを観察することで、候補化合物の生理的な効果をより直接的に把握することができます。

従来の試験管内での分子実験と異なり、細胞という「生体に近い環境」で作用を確認できるため、創薬や毒性評価の分野で広く用いられています。

セルベースアッセイについてはこちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。

②酵素アッセイ

酵素アッセイは、酵素反応を利用して化合物の作用を測定する手法です。酵素は生体内で触媒として機能する重要な分子であり、その活性変化を追跡することで、阻害剤や活性化剤の効果を簡便に評価できます。

高感度かつ再現性の高い結果が得られるため、医薬品開発の初期段階における標準的手法となっています。

③免疫アッセイ

免疫アッセイは、抗体と抗原の特異的な結合を利用して分子を検出・定量化する手法です。代表的な方法として、ELISA(酵素免疫測定法)やCLIA(化学発光免疫測定法)があり、臨床診断や感染症検査などで広く用いられています。

近年では、自動化された免疫アッセイ装置が普及し、血液や体液を用いた迅速診断に不可欠な技術となっています。

④遺伝子アッセイ

遺伝子アッセイは、DNAやRNAの配列や発現量を解析する手法です。PCRやリアルタイムPCRなどが代表的であり、疾患関連遺伝子の検出や、遺伝子発現の変化を評価する目的で利用されています。

特に「レポーターアッセイ」は、特定の遺伝子プロモーター活性を蛍光や発光に変換して測定する技術で、薬剤が転写活性に与える影響を解析できます。

レポーターアッセイについては、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

マイクロプレートとハイスループットスクリーニング(HTS)

膨大なサンプルを効率的に処理するために欠かせないのが、マイクロプレートとハイスループットスクリーニングです。

マイクロプレートが選ばれる理由

マイクロプレートは、96ウェルや384ウェルといった多数の小孔を持つ実験用プレートです。各ウェルを独立した反応容器として使用できるため、数百から数千のサンプルを同時に測定可能です。

また、光学的特性に優れた素材が採用されているため、吸光度測定や蛍光測定に最適化されています。画像解析やリアルタイム観察においても高い信頼性を発揮します。さらに、自動化機器との互換性が高く、研究現場では標準ツールとして広く使われています。

マイクロプレートのウェルに関しては以下記事をご参考ください。

マイクロプレートとハイスループットスクリーニングとマイクロプレートの関係

マイクロプレートとハイスループットスクリーニングは、数万から数百万の化合物ライブラリーを短時間で評価します。

創薬において不可欠な手法であり、その中心的役割を果たすのがマイクロプレートです。各ウェルに異なる化合物をセットし、並列でアッセイを実施することで、大規模なデータを効率的に収集できます。

近年は、プレートのフォーマットがより高密度化(1536ウェルなど)し、より少ない試料量での精密な解析が可能となっています。

日本ゼオンが提供する『Aurora Microplates™︎』

効率的かつ高精度なバイオアッセイを行うには、測定原理や検出機器だけでなく、使用するマイクロプレートの品質も極めて重要です。

日本ゼオンが開発・提供する『Aurora Microplates™︎』は、独自の高透明ポリマーを用いて製造されており、ガラスに匹敵する光学性能を持ちながら、樹脂プレートならではの加工性・耐久性を備えています。吸光度・蛍光・発光など多様な検出モードに対応可能で、ライブセルイメージングやハイコンテントスクリーニングに最適です。

さらに、細胞培養に適した表面処理やコーティングが施されています。細胞播種から培養、観察、解析までをワンストップで実現でき、研究者の手間を軽減すると同時に、得られるデータの品質を向上させます。

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まとめ

この記事では、バイオアッセイについて以下の内容を解説しました。

  • バイオアッセイの概要と主な種類

  • 効率的なスクリーニングを支えるマイクロプレート技術

バイオアッセイは、細胞・酵素・免疫・遺伝子といった多様なアプローチで、生物学的な作用を定量的に評価できる強力な手法です。そして、それを高効率かつ正確に実施するためには、マイクロプレートの選択が不可欠となります。

日本ゼオンが提供する『Aurora Microplates™︎』は、高い光学性能と培養特性を兼ね備え、創薬スクリーニングから基礎研究まで幅広い用途に対応します。そのほか、細胞培養用オリジナルコートプレートなどの製品群も展開しており、研究者が求める実験環境をトータルでサポートします。

詳しくはこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。

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