セルベース(細胞)アッセイとは。測定用の装置やマイクロプレートの選択方法

セルベース(細胞)アッセイとは。測定用の装置やマイクロプレートの選択方法

セルベース(細胞)アッセイは、生物医学研究や創薬の分野において用いられる測定法の一種です。

評価の効率性や信頼性を高めるには、アッセイの種類や検出対象などに合わせた測定装置とマイクロプレートを選択することが必要です。

この記事では、セルベースアッセイの概要や種類、代表的な測定装置、マイクロプレートの選び方について解説します。

なお、マイクロプレートについてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

サンプルの取り寄せについてはこちらからお問い合わせください。

目次[非表示]

  1. 1.セルベースアッセイとは
  2. 2.セルベースアッセイの種類
  3. 3.セルベースアッセイに用いられる主な測定装置
    1. 3.1.➀フローサイトメーター
    2. 3.2.②セルイメージング装置
    3. 3.3.③シングルセル解析装置
    4. 3.4.④ハイコンテントイメージング装置
  4. 4.セルベースアッセイにおけるマイクロプレートの選択
  5. 5.セルベースアッセイに適した高性能イメージングプレート『Aurora™ Microplates』
  6. 6.まとめ

セルベースアッセイとは

セルベースアッセイとは、細胞培養によって細胞の生化学的な活性やメカニズムを分析する方法です。

従来の生化学的アッセイでは、試験管内にある特定の生物学的分子(タンパク質やDNAなど)において機能や活性を検出して標的ベースでの評価を行います。

これに対してセルベースアッセイでは、生細胞を使用してさまざまな条件下に置いて細胞の反応や機能を観察・測定します。これにより、生化学アッセイよりも生体に近い条件下での評価が可能になります。

なお、アッセイの種類についてはこちらの記事で解説しています。

セルベースアッセイの種類

培養細胞を利用するセルベースアッセイは、化合物の生理学的な関連性を分析する手法として、生物医学研究や創薬の分野において実施されています。

代表的な種類には、以下が挙げられます。

▼セルベースアッセイの種類

  • 細胞の増殖・生存率
  • 細胞毒性
  • 細胞遊走・浸潤・創傷治癒
  • 血管新生
  • 細胞形質転換
  • 細胞老化
  • 腫瘍細胞分離 など

セルベースアッセイに用いられる主な測定装置

セルベースアッセイに用いられる測定装置にはさまざまな種類があります。アッセイの種類や検出方法、スループット性などを踏まえて選択することが必要です。

➀フローサイトメーター

フローサイトメーターは、細胞一つひとつの大きさ・細胞数・細胞周期などの特性を定量化する装置です。流路系・光学系・電気系の3つの要素で構成されています。

▼フローサイトメーターの構成

構成
役割
1.流路系
液体中に分散した細胞のサンプル(細胞サスペンションや細胞懸濁液)を装置に注入して、個々の細胞を一列に整列させる
2.光学系
サンプルにレーザーを照射して、蛍光物質が発する蛍光や細胞の散乱光を検出して、蛍光検出器で測定する
3.電気系
測定した蛍光データをコンピュータによって解析することで、細胞の個々の特性を詳細に評価する

フローサイトメーターを使用することで、従来の蛍光顕微鏡と比べて複数の細胞パラメータを同時かつ迅速に解析できるようになります。大量の細胞の集まりから個々の特定を詳細に評価して、統計的な分析を行うことが可能です。

②セルイメージング装置

セルイメージング装置は、細胞を撮影して形態・数・動きなどを定量的に測定する装置です。細胞の構造観察や動態解析、機能評価などに用いられます。

検出方法によってさまざまな技術があります。

▼セルイメージングの技術例

種類
概要
蛍光顕微鏡
蛍光色素で標識した細胞に、特定の波長を持つ光を照射して蛍光を観察する方法
共焦点レーザー顕微鏡
特定の位置に焦点を合わせてレーザー光を照射して画像データを取得することで、高解像度での三次元解析を行う方法
ライブセルイメージング
生きた細胞の挙動を長時間かつ連続的に追跡・観察する方法

一般的なセルイメージングでは、細胞を固定化してさまざまな手法で画像化することによって細胞情報を検出します。

これに対してライブセルイメージングは、細胞を固定せずに活動状態をリアルタイムに観察・記録する機能が備わっています。細胞の遊走や毒性などの時間変化による生物学的な現象を把握できるようになります。

③シングルセル解析装置

シングルセル解析装置は、細胞一つひとつに識別用のタグを付けて細胞の独立したデータを取得・解析する装置です。

組織や種が同じ細胞であっても、個々の性質に不均一性が存在することが認識されています。シングルセル解析装置では、細胞集団の平均データではなく、数百~数万個に及ぶ細胞の独立したデータを取得することが可能です。

主にmRNAやDNAなどを対象とした遺伝子解析に用いられています。

④ハイコンテントイメージング装置

ハイコンテントイメージング装置は、大量のサンプルを短時間で処理する高いスループット性を備えたセルイメージング装置です。従来のセルイメージング装置と比較して、以下のような特徴があります。

▼ハイコンテントイメージング装置の特徴

  • 高速かつ自動での画像取得・解析が可能
  • 複数の細胞パラメータを同時かつ高精度に取得できる
  • さまざま観察手法に対応する など

従来のセルイメージング装置よりも高精度な画像取得と大量のデータ処理・解析が可能になるため、セルベースアッセイの効率化を図ることが可能です。

セルベースアッセイにおけるマイクロプレートの選択

セルベースアッセイを実施する際は、アッセイの検出方法に応じてマイクロプレートを選択する必要があります。イメージングにおいては鮮明な画像を取得できるように透明のマイクロプレートが用いられます。

▼検出方法に適したマイクロプレートの色

検出方法
マイクロプレートの色
吸光法
透明
発光法
白クリアボトム
蛍光法
黒クリアボトム

なお、マイクロプレートの種類についてはこちらの記事で解説しています。

セルベースアッセイに適した高性能イメージングプレート『Aurora™ Microplates』

セルベースアッセイでの高性能・高精細なイメージングを可能にするマイクロプレートに『Aurora™ Microplates』があります。

『Aurora™ Microplates』は、シクロオレフィンポリマーで作られており、一般的なポリスチレン製に比べてよりクリアな画像を取得してイメージングを行えます。

▼Aurora™ Microplatesの特徴

  • 高い透明性により鮮明な画像を撮影できる
  • 自家蛍光性が低く弱い光シグナルも検出できる
  • 平坦性が高くダイナミックレンジで撮影できる

また、アニマルフリー原料を使用したコート剤で加工した『細胞培養用オリジナルプレート』も用意しています。優れた培養性能により、ハイコンテントスクリーニングや薬物スクリーニング、細胞観察などの分野で活用いただけます。

製品資料はこちらからお問い合わせください。

まとめ

この記事では、セルベースアッセイについて以下の内容を解説しました。

  • セルベースアッセイの概要
  • セルベースアッセイの種類
  • セルベースアッセイに用いられる測定装置
  • マイクロプレートの選択
  • セルベースアッセイに適した高性能イメージングプレートについて

セルベースアッセイでは、培養細胞を用いて細胞の状態を観察することで、生化学アッセイよりも生体に近い条件下での測定が可能になります。

測定装置にはさまざまな種類があるため、アッセイの種類や検出方法、スループット性などを踏まえて選択します。イメージング装置を用いる場合には、鮮明かつ高精度な画像を取得できるマイクロプレートを選ぶことが必要です。

Aurora™ Microplates』は、シクロオレフィンポリマーを使用した透明性の高いマイクロプレートです。一般的なポリスチレン製と比べてより鮮明な画像をダイナミックレンジで撮影でき、イメージングの効率化・精度向上につながります。

セルベースアッセイに適したマイクロプレートをお探しの方は、こちらからサンプルをお試しください。

人気記事ランキング

タグ一覧