生化学分析や細胞培養に用いるマイクロプレートとは。種類や色、材質による違い

新薬開発や研究分野の実験においては、生化学分析や細胞培養、スクリーニングなどを効率的に実施するためにマイクロプレートが欠かせません。

マイクロプレートにはさまざまなウェル数があるほか、使用目的によって色や材質も使い分ける必要があります。

この記事では、マイクロプレートの概要や種類、用途、選び方について解説します。

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マイクロプレートとは

マイクロプレートは、ウェルと呼ばれる小さな区画を複数有する平らなプレートです。

独立したウェルの一つひとつにサンプルを入れることで、複数のサンプルに対して同一環境下での反応・分析が効率的に行えます。

※マイクロプレートの製品一覧

そのため、マイクロプレートは製薬業界やライフサイエンス基礎研究業界などをはじめ、幅広い分野における研究のさまざまなプロセスにおいて利用されています。

マイクロプレートの種類

マイクロプレートは、一般的に1枚が有するウェルの数で種類が分けられます。

ウェルの数が多いほど一枚で行える検査数が多くなり、1ウェル当たりのコストも安くなります。一方で、1ウェルの容量はウェルの数が多いほど小さくなります。

▼マイクロプレートの種類

なお、マイクロプレートのウェルについてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

マイクロプレートの用途

マイクロプレートは、生化学アッセイやセルベースアッセイに用いられます。

▼生化学アッセイとセルベースアッセイの定義

マイクロプレートを利用することで、これらのアッセイにおけるさまざまな検出方法を効率的に実施できます。

▼主な検出方法の種類

• 吸光検出
• 蛍光検出
• 発光検出
• イメージング

吸光検出・蛍光検出・発光検出は生化学アッセイ、イメージングはセルベースアッセイでそれぞれ用います。

なお、検出に用いるマイクロプレートリーダーや蛍光検出についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

マイクロプレートの選び方

マイクロプレートにはさまざまな色・材質があり、使用目的に合ったものを選定することが欠かせません。

色

マイクロプレートは、検出方法によって適した色が異なります。

一般的によく用いられる色はクリアですが、蛍光検出においては黒を使うことで隣合ったウェルとの干渉を防げます。また、発光検出においては白を用いるとサンプルの発光が反射して検出しやすくなります。

▼検出方法に適したマイクロプレートの色

黒と白は上側から、黒クリアボトムと白クリアボトムは下側から観察する際に利用されます。クリアについては上側と下側のどちらからの観察にも対応しています。

材質

マイクロプレートに用いられている素材は、安価なポリスチレンが一般的です。一方で、より高性能な素材としてガラスやシクロオレフィンポリマーが使われる場合もあります。

ガラスはポリスチレンよりも透明性が高くクリアな画像を得られますが、コストが大きくなりやすいとされます。

シクロオレフィンポリマーはガラスよりも安価ながらガラスに近い光学特性を持っており、薬剤耐性も高い点が特徴です。

特にイメージングの用途においては、透明性の高いガラスやシクロオレフィンポリマー製のマイクロプレートが向いています。

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まとめ

この記事では、マイクロプレートについて以下の内容を解説しました。

• マイクロプレートの概要
• マイクロプレートの種類
• マイクロプレートの用途
• マイクロプレートの選び方

マイクロプレートは新薬開発や研究分野の実験で広く用いられる平らなプレートで、複数のウェルを持ちます。

マイクロプレートは生化学アッセイやセルベースアッセイにおけるさまざまな検出方法に利用されますが、その目的に応じて色や材質を選定することが必要です。

『Aurora™ Microplates』は、シクロオレフィンポリマー製のマイクロプレートです。ガラスに近い透明性を持つことから、イメージング用のマイクロプレートに適しています。高い透明性と優れた平坦性、低自家蛍光性によって、短時間での鮮明な画像の撮影を実現します。

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